削除 できるものできない もの

ネットに自分の誹謗中傷が書き込まれている…
そんなとき、あなたは落ち着いて行動できるでしょうか。
ネットタトゥー化を防ぐためにも誹謗中傷対策は時間との勝負です。
しかし、まずは冷静になった上で「消すべき誹謗中傷なのか」「そもそも消すことが可能なのか」「どのように対処すべきなのか」を考えることをお奨めいたします。
パニック状態では考えがまとまらず、状況を把握出来ないためです。
当ページでは“削除の可否”にフォーカスを当て、解説していきたいと思います。
その書き込みは消せる?3つの判断ポイント
自分の悪口や誹謗中傷を見つけてしまったとき、まずは落ち着いた上で“その書き込みが消せるものなのかどうか”について考えてみるようにしてください。
削除可否の主な判断ポイントとして、以下の3項目が挙げられます。
対象者を特定出来るものであること

削除対象になるには、その誹謗中傷が個人又は法人を特定出来るものでなくてはなりません。
例えばですが“あの会社の“A”という男は不誠実だ“という書き込みでは、誰のことを指しているのかが特定できませんので削除は難しいです。
具体的には「氏名」「住所」「生年月日」「電話番号」といった個人情報が削除の対象になり、「明らかにその人を指していることが分かる書き込み(伏せ字・当て字を含む)」や「ペンネーム」等もこれに含まれます。
損害が発生している又はその恐れがあること

プロバイダ・サイト管理者・検索エンジン(以下「プロバイダ等」と言います。)の多くは、その誹謗中傷によって実際に損害を被っている又は損害を被る恐れが無いと削除に応じてくれません。
例えば、明確な根拠もなく「○○の製品は1,2回使うと必ず壊れる」といった書き込みは、対象者に大きなイメージダウンに繋がりますので損害が発生している可能性が高いです。
また、現在はまだ損害が発生していなくても「×月×日×時に○○をみんなで破壊しよう」といった書き込みは損害が発生する恐れが高いため、こちらの要件には該当すると考えます。
内容が具体的であること

「○○はバカだ」「あいつは何も考えていない」
といった抽象的な書き込みですと、その人に損害が及ぶ可能性が著しく低いため削除に応じてもらえる可能性は低いです。
「○○学部の××は○○大学を5回落ちている馬鹿だ」といったように具体的な誹謗中傷であった方が、削除申請がより通り易いでしょう。
SNSによる誹謗中傷が問題に

スマートフォンが普及したことで、Facebook・Twitter・Instagramといった「SNS」が若者の間で爆発的に広まりました。
小中学生の間でもSNSは当たり前のように利用されており、いじめの温床になってしまったり、犯罪行為に巻き込まれてしまったりするケースが後を絶ちません。
また、子供は精神が未熟なため、誹謗中傷の対象になってしまうとショックを受け精神を病んでしまうことも多いです。
もちろん“SNSをやらない”というのが最善の策ではありますが、万が一誹謗中傷被害に遭ってしまった場合にはいち早く行動するように心掛けましょう。
SNSも削除可能?
「子供がSNSに行った書き込み」はもちろんですが、企業の秘密が社員によって漏洩されてしまった、不適切な行為によって炎上してしまった(所謂「バイトテロ」)等も当然削除の対象となります。
ただし、拡散や転載されてしまった場合には、スクリーンショットやキャッシュとして保存(所謂「ネット魚拓」)されてしまった等で、削除を行っても無意味なケースも多いです。
数万人の不特定多数の人が利用するコンテンツだということを理解した上で利用するよう心掛けましょう。
ネットリテラシーを身に付ける

これらは、十分なネットリテラシーを身に付けていない方が面白半分に書き込んだことに起因して起こっています。
また、悪気は一切なくこれらの事態を引き起こす可能性も十分に考えられます。
例えば「日記のつもりでSNSに企業秘密である製品開発の様子を書き込んでいた」といったケースがあった場合、本人の故意はないものの会社側は大きな損害を被ってしまいます。
本人に悪気があったのか無かったのかに係わらず、会社から損害賠償請求や懲戒解雇処分を受ける可能性は十分に考えられるのです。
「気にしない」ことも重要
誹謗中傷を受けて、気にしない人などいるはずがありません。
どんなに心の強い人であっても、実際に被害に受けてしまったら気にしてしまうものです。
しかし、身に危険が迫るような誹謗中傷(個人情報が晒されてしまった場合)や、今後の生活に支障が出るもの(リベンジポルノ等)を除き“気にしないこと”ということも重要な対策であると言えるでしょう。